自然の音をきく

半年ぶりの投稿です。

今年は、冬と夏と2回ノルウェーに行くことができました。5年ぶりの知り合い、友達との再会はとても嬉しいものでコロナ後やっとノルウェーモードになれました。ノルウェーにいる間からいつしか疎遠になってしまった知り合いともバッタリ再会しました。今まで、私の中の記憶では、28歳の時の記憶しかなかったのに「40歳になった」と聞かされ、ショックを受けたのでした。時が経つのは早いものです。ここ数年は大御所連中の訃報も次々と入ってきています。その中で、友人たちがバリバリ活躍していたり、以前と変わらずこの音楽文化に従事している姿は大きな励みです。

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私は、日本でも都市部近辺に住んでいるので、日常的に様々な音に囲まれていると感じます。多くは人工的な音で私はそういう音の多い環境が苦手です。ノルウェーにいた時は、自然の中に一人でただ座り、自然の音を聞いて時間を過ごすことが多かったと思います。ノルウェーの音楽には自然の音から着想を得て作られたものが多いのです。

電車の中からで自然の音はありませんが…

夏休みに久々に動画を撮りました。自然の音からできた曲かどうかはわかりませんが、私にとっては夜明け前の音。あまり弾かれることのない珍しい曲です。

2月コンサート情報 (E.Grieg関連コンサート)

先日のハーディングフェーレイベントにお越しいただいた皆様、ありがとうございました。ハーディングフェーレの曲ばかり、を、2台で弾く、たっぷりした響きのコンサートでした。初めて聴いていただく方にもご好評いただいたようで、私自身も大変楽しみしました。

さて、2月はエドヴァルド・グリーグに関するコンサートとイベントを予定しています。

大阪では2月25日に日本・グリーグ協会関西支部主催公演「北欧の詩人エドヴァルド・グリーグ 魅惑の愛と踊り」に出演します。

グリーグはノルウェーの民族音楽をインスピレーションの源にしていたことはよく知られていますが、ハーディングフェーレの特定の曲をピアノ曲に編曲したことで知られているのはOP.72 スロッテル Slåtterです。ハーディングフェーレ奏者クヌート・ダーレ Knut Dahleはエドヴァルド・グリーグに手紙を書き自分のレパートリーを後世に残したいため、曲を書きとってほしいと伝えました。アメリカでの4年間の移民生活を終えてテレマルクに帰ってきた1901年からの2年間をかけて、K. DahleとE. GriegとJohan Halvorssenの3人の手を経て完成したのがこの曲です。

コンサートでは、このOp.72に収録されているオリジナルのハーディングフェーレの曲をピアノ編曲とともに演奏します。ピアノ版、オリジナル版がそれぞれどうなのか?という興味のみならず、Op.72はKnut Dahleのハーディングフェーレがなかったら完成しなかった作品で、ピアノとハーディングフェーレで一緒に演奏することそのものに意味がある、と思っています。

こちらのコンサートはcontact@satokok.com にご連絡いただきましたら協会員価格にてチケットご用意します。

また、連休明けには東京音大で民俗音楽とグリーグに関するイベント講演会に登壇します。

【日時・会場】
2024年2月13日(火)17:30~20:00終了予定
東京音楽大学中目黒キャンパス

【出演】
講師:樫原聡子(ハーディングフェーレ奏者)
ナビゲーター:広上淳一(指揮専攻教授)
モデレーター:井上勢津(指揮専攻講師[兼務]、ノルウェー政府認定音楽療法士)

【プログラム】
第1部 ハーディングフェーレ演奏(解説付)
第2部 ノルウェーの民俗音楽とエドヴァルド・グリーグの世界
第3部 対話「音楽文化の伝承と音楽家の役割」

2024年1月コンサート情報

あけましておめでとうございます。

実は年末年始にかけて、弾丸でノルウェーに行ってきました。大吹雪と大寒波の中知り合いにあったり、コンサートをみたりしてきました。大変な旅でしたが、知り合いから元気をもらったり、ノルウェーの音楽を大切に思う気持ちを再確認できました。

さて、1月2月のコンサート情報です。

まず、1月20日(土)は兵庫県伊丹市の風のポルッカさんで、鎌倉に工房を構えるハーディングフェーレ職人の原圭佑さんと、関西を拠点に活躍する野間友貴さんとノルウェー音楽のイベントがあります。

1 音楽ワークショップ (ノルウェー音楽、樫原担当)

2 ロージングワークショップ(原さん担当)

3 コンサート “リョース Ljøs” (野間さん、樫原)

音楽ワークショップでは、ハーディングフェーレの曲を取り上げる予定ではありますが、普通のバイオリンでも弾きやすい/ 弾ける曲を考えています。

ロージングワークショップは、原さんが担当しますが、チラシにあるようなコースター作成を予定しています。

また、本邦初公開のリョースljøsは、ハーディングフェーレ2本による、ハーディングフェーレの曲ばかりのコンサートです!ちなみに、Ljøsとは”光””灯り”の意味です。寒い冬には暖かな光となり、明るい夏には音楽を楽しむ夕暮れ時のような音楽を目指します。

チケットはチラシのQRコードもしくはメールpolkka2017@gmail.com からご予約ください。

クリスマスコンサート

2023年も最後の月になり、今年もあっという間にクリスマスがやってきます。ノルウェーでは、クリスマスのことをユールJulと言い、家族と静かにゆっくり過ごす期間です。

大阪・四条畷のケイットさんにて、12月9日−10日に、北欧のクリスマスマーケットが開催されます。私は、このイベントで10日、ニッケルハルパの本田倫子さんとデュオfissで演奏します。

https://northobject.com/keitto/events/event/keitto-nordic-xmasmarket2023/

当日は、スウェーデンのダンスや、フィンランドのカンテレの演奏もあり、北欧の魅力満載のイベントになりそうです!私もとーーっても楽しみにしています。是非是非、ご家族でお越しください。

今回は、クリスマスの曲も織り交ぜてプログラムを組んでいます。ノルウェーのクリスマス曲を色々と調べていて、いくつかとてもポピュラーな曲があるのですが、それらはほとんどがドイツやデンマークから伝わってきている曲ということがわかりました。昔、ノルウェーはデンマークとの同盟国で、その時代には書き言葉もデンマーク語だったり、随分と文化的にも影響を受けています。以前、私がノルウェーにいた頃は、同じタイトルの同じ歌詞のクリスマス曲でも地方によって違うメロディーで歌われていたり、というのをよく聞きました。また、その辺りも整理してみたいなと思いました。ハーディングフェーレや器楽曲ではクリスマスの曲は多くありませんが、いくつかあります。いずれにしても、古き良き、ホッとする音楽です。

出演情報:「働く人びと」@小磯記念美術館

ようやく夏が終わりを迎えようとしていてホッとしている今日この頃です。

私が今住んでいる神戸市には、たくさんの美術館があり、いつかどこかの美術館で演奏させていただく機会があると良いなと思っていました。11月5日(日)に、六甲アイランドにある小磯良平記念美術館にて30分程度のミニコンサートをさせていただきます。

コンサートは裏面左下に案内があります

今年は小磯良平氏の生誕120年にあたる年で、その企画展として開催される「働く人びと」。私は個人的に女性像を描いた画家というイメージがあったのですが、代表作品として農民の働く姿を描いていたのですね〜。私もその展覧会に合わせて、「農民舞曲を演奏する」ことになっています。☜そもそも、ハーディングフェーレの曲は、農村部に伝わる曲ですので、間違いありません!ここ最近このような切り口で紹介されることはないのでワクワクしています!

そして今回はチケットプレゼント!!

コンサートと合わせて、展覧会も見てくださる方先着5名様に入場券をお取置きさせていただきます。Inquiry のコーナーからメッセージでお知らせください。contact@satokok.com

小磯記念美術館のイベントはこちらからご確認ください

https://www.city.kobe.lg.jp/a45010/kanko/bunka/bunkashisetsu/koisogallery/event.html

出演情報:アーバンピクニック

毎日暑い日が続いていますね・・・

8月18日(金)に神戸三宮駅近くの東遊園地で毎週金曜日に開催している「アーバンピクニック」で演奏させて頂くことになりました(2ステージ各30分18:00- / 19:00-)

私の大学生時代の三ノ宮と比べて変わったところと変わらないところとありますが、東遊園地は新しく、ワクワクする空間です。

お近くの方、夕涼みがてらお立ち寄りいただけると嬉しいです。

今回ソロで出演しますが、最近またハーディングフェーレのソロの曲、新しい曲を覚えてきています。私はあまり曲を覚えるのは得意な方ではありません。コロナ禍ではいろんなことにやる気がなくなってしまい、楽器を弾くことすら億劫な時期もありましたが、少しづつ弾くことの楽しさを思い出してきた今日この頃です。ハーディングフェーレのソロの曲は難しいと言われることがよくありますが、そんなことはありません。とても興味深く飽きない音楽です。

北欧フェア(阪急百貨店うめだ本店)出演情報

5月27日、28日の土日に大阪梅田阪急百貨店の北欧フェアで演奏します。

5月27日(土) 16:00/18:00

5月28日(日) 12:00/13:00

各30分の演奏です。スウェーデンの楽器、ニッケルハルパの本田倫子さんとの共演です。入場無料ですのでお気軽にお立ち寄り下さい!

https://website.hankyu-dept.co.jp/honten/h/nordic/event.html

Landskap av hardingfele ハーディングフェーレの風景

先日お知らせしました、CDの完成めどが立ち、3月15日頃に仕上がることとなりました。

全体は、20分程度の小さなアルバムですが、これまでよく弾いてきた曲、思い入れのある曲をまとめたものです。

  1. Luråsen
  2. Kvenneslåtten
  3. Slik spela Pål
  4. Jotunheim-springar
  5. -7. Systerslåttene 1, 2, 3

全てテレマルクの伝統曲です。(税込1500円で販売予定)

そして、それを記念して(というか、やっとコロナが終わりコンサートができるようになってきたことを記念して)ミニコンサートとワークショップを3月25日に、いつもお世話になっている天神橋筋のTimeblueさんで行います。

楽器を弾く方は是非楽器を持ってお越しください。お待ちしています!

Folkelarmprisen 2022

今年もFolkelarmの季節になりました。ノルウェーの民俗音楽では、その年発表されたCD等の録音物の中でも際立っている作品について、FolkelarmprisenとSpellemannprisenという2回の受賞の機会があります。特にFolkelarmはより民俗音楽に特化したラインナップとなるため、実際にコミュニティにいる人により近しい感覚で選定がされていると(肌感覚で)言われています。

そのFolkelarmprisen に私が留学中一番お世話になったAnne Hyttaのアルバム”Hytterdal”がtradisjonelt samspill(伝統的な方法による合奏)部門で受賞しました!これは、数年前からAnneが取り組んでいたTelemarkのHeddalに伝わる曲の楽譜資料からあまり現在では知られていないバージョンを取り上げ、音の形に”戻した”(以前の記事「楽譜とFolkemusikk vol.1」)あと、現代の感覚でHardingfele3挺によるアレンジで仕上げたもので、瑞々しい表現に彩られた仕上がりとなっています。

Albumet er heilheitleg, gjennomarbeida og oser av stilsikkerheit, presisjon og kraft. Med stor leikenheit, oppfinnsamheit og tryggheit arrangeras slåttemusikken og pregas av kvar enkelt musikars unike uttrykk. Saman skaper dei eit unikt musikalsk rom, der dei med sine feler og stemmer grip tak i dei tradisjonelle hardingfeleslåttane, leiker seg med former, motiv og klanger på ein elegant og kreativ måte som imponerte juryen. Albumet løfter fram hardingfeleslåttanes ibuende kvaliteter og opnar opp det musikalske landskapet, stilsikkert og gripande! 

このアルバムは、全てにおいてよく作り込まれており、確かさ・正確さ・力強さに満ち溢れている。そして、それぞれのプレーヤーの個性を活かした遊び心と安定性に満ちたアレンジをhardingfeleの曲に施している。それによってユニークな音楽的空間を築き上げ、その空間の中で、ヴォーカルとhardingfeleによって伝統曲をよく捉え審査員達を唸らせるエレガントでクリエイティブな方法でフォルム(音楽的構造)、メロディモティーブ、音色を扱っている。このアルバムはhardingfeleの曲に内包されているクリエイティブな側面を高く掲げており、このジャンルの音楽的地平を開拓し、確固たるスタイルを強く印象付けている。

私がお世話になった方の活躍は、とても誇らしく、嬉しいニュースです!Gratulerer så mye !!!

https://www.folkelarm.no/folkelarmprisen-2022-vinnarane.6571022-569609.html

http://www.annehytta.com/hitterdal.html

11月28日(日)コンサート詳細

アフタヌーン・コンサート -The Sound of Nordic Resonance-
日時: 11月28日(日)13:30開場 14:00開演 (休憩あり 15:15頃終演予定)
出演: 本田倫子 Nychelharpa / 樫原聡子 Hardingfele
会場: Studio Time Blue 新館2階
入場料: ¥2,000

現時点では感染症対策を実施した上で対面のコンサートを予定しています。今後の感染状況によっては開催1週間前に中止を判断し、オンラインコンサートとして開催する予定です。

ご予約お待ちしています。

ご予約はcontact@satokok.comまでメールでご連絡下さい。