6月冒頭のコンサートが終わってすぐ、知人でピアノ調律師の小川瞳さんから連絡を受けて、大島史成さんのレコーディングに参加させていただきました。大島さんはピアノ弾き語りがメインの作詞作曲、演奏まで全てご自身で手掛けるアルバムを作成中で、作品のいくつかに弦楽器を入れたいということで、ご相談を受けました。当初、大島さんはハーディングフェーレのことなどご存知なかったにも関わらず快く参加を受け入れてくださり、私にとってもとても楽しく勉強になるレコーディングとなりました。大島さんの綿密に作られた作品が完成する日が待ち遠しいです。
今回は調弦法を2つ使い分けました。3曲参加した中の1曲だけはキーが違っていて、ふと思いついて調弦を変えてみたらこれがピッタリ。伝統曲では少し珍しい調弦法が、大島さんのポップな曲に果たして合うのかと半信半疑でしたが、これまた意外にハマったようで面白い発見でした。
調律師の小川瞳さんは、5年ほど前に私がまだヴォスのOle Bull Akademietに通っていた頃にお世話になっていたSigbjørn Apelandからの紹介で知り合いました。実は内緒にしていましたが、私はOle Bullでは副専攻でピアノとオルガンを取っていてSigbjørnはその時の恩師です。その後もアーカイブでの調べ物、ノルウェーでの日常生活の諸々の相談に至るまで本当にお世話になりました。Sigbjørnが日本公演をした時にお世話になった調律師さんが小川さんで、是非日本に帰ったら会ってくるようにと言われ、工房を訪ねたのが早5年前。そのご縁が今回のレコーディングにつながりました。
さてその後、慌ただしくノルウェーに再びやってきています。今回はFinnairで伊丹ー成田ーHelsinkiーBergenとやってきました。ベルゲンは観光都市ではありますが小さな街なので、夏の数ヶ月間しかヘルシンキからの直行便がなく、なんと今回もプロペラ機。そのちっちゃい機体の乗り場に行き着くまでにヘルシンキの空港でどれだけ歩いたか…!乗り継ぎ時間40分。空港で呼び出されたもののなんとか間に合いました。それにしても、ヘルシンキは気温25度に対してベルゲン12度。こちらに来てから毎日これくらいの気温です。
ベルゲンの街は半年ぶりですが、何も変わっておらず(当たり前か)、まるで昨日もいたかのように毎日を過ごしています。Spelemannslagとの練習、恩師との再会、楽器の修理、新しい出会い…来週はLandskappleikenでGudbrandsdalはVågåまで1日かけて大移動です!