God midsommer!

今日は夏至の日。この機会に、昨年の守山市民会館ロビーコンサート用に作成した映像をアップロードしました。
ノルウェーで撮った写真と自分の録音で綴った10分のビデオ映像です。自家製です。

それではGOD MIDSOMMER!!

本日12:00からは「北欧の『おうちで』音楽ピクニック」がYou Tubeで放送されます。62組のアーティストが1曲ずつお家で撮った映像が流れます。私も参加しています。どうぞご覧ください。

https://www.music-picnic.club/

北欧の音楽ピクニック

早いもので6月も半ばになりました。6月15日といえば、ノルウェーの作曲家、エドヴァルド・グリーグの誕生日。あの懐かしいGrieg minutt for minuttも2年前のことになりました。そして、今年はコロナウィルス感染症の世界的流行で、世界各国が今までにない状況となっています。

6月21日、いつもお世話になっているハーモニーフィールズさんの企画で、「北欧の音楽ピクニック」が開催されます。ちょうど、北欧諸国にとっては夏らしい夏至の日に因んだ企画ですが、今年は「お家で」開催、そう、オンラインでの開催となります。私も短いビデオ映像を自宅で撮影し、このイベントに参加します。当日は12:00から北欧諸国と日本から集められた夏をテーマにした音楽映像がオンラインで流されます。是非、ご覧ください。

ハーモニーフィールズさんも今年で20周年とのこと。おめでとうございます!あっという間の20年。聞いてびっくり!年月のたつのを思い知らされます。

ホームページはこちらです↓
https://www.music-picnic.club/

近況報告(2020.04.11)

今年は年頭からバタバタと感染症のニュースが世界を駆け巡り、4月に入って私の住む大阪では緊急事態宣言が発令されるほどになってしまいました。3月以降のイベントやレッスンは基本的に中止とさせて頂いています。このブログを読んでくださっている方々の健康をお祈りしております。

3月7日に予定していたコンサートは、当初は5月頃に延期と考えておりましたが、現在の所、秋以降に再日程との予定です。このところ、ノルウェーのフォークミュージシャン達は、自宅でのオンラインコンサートをして楽しんでいます。私たちも何か新しい試みをして楽しめたら良いなぁと画策しています。どうぞお楽しみに!

レッスンの方は、オンラインでレッスンができたら良いなあと考えています。これまで私自身は試したことがない試みですので、こちらも楽しみに準備したいと思っています。

毎年、夏に行く予定にしているノルウェー最大の民俗音楽祭ランズカップレイクも今年は中止になってしまいました。この大会は毎年持ち回りでノルウェー各地の民俗音楽団体が主宰することになっているのですが、今回ばかりは来年も同じ開催場所(世界遺産にも登録されているRjukan、私が修士論文で扱ったKnut Dahleの住んでいた所のすぐ近くです)となるそうです。是非来年は訪れるつもりです。Rjukanについてはまたいつか記事にしたいと思っています。

それ以外では、2年半前に注文していた5弦のハーディングフェーレが、郵便事情が停滞する直前にやっと届き、今はもっぱらこの楽器を楽しんでいます。通常のハーディングフェーレの低音側にもう1本弦が付け加えられています。もう10年程も前から欲しいと思っていたのですが、なかなか注文できず、2017年にやっと注文した時には、職人さんの所で予約が殺到しており、2年待ちと言われていました。2年も待ちましたがやっぱり作ってもらってよかったと大満足しています。古い楽器の復元ではなく、エクスペリメントの方の楽器なので、弦や調弦方法も色々と試せるのがこれからもとても楽しみです。因みに、私の愛用している4弦のハーディングフェーレを作ってくれたSalve Håkedalの作です。Salveはボディーの大きめな5弦の楽器「Hardanger d’amore」も制作していますが、今回私が注文したのはハーディングフェーレサイズのものです。

一方で以前より愛用中の古い楽器の方は、さらに修理が必要と感じていたため、年始より、鎌倉に住むハーディングフェーレも制作する楽器職人の原圭介さんの工房に預けて修理してもらっています。1901年製の楽器ですが、オリジナルの部分を多く残しているもので、糸巻きが経年劣化で緩んできてしまい、修理を必要としていました。その他、細かい作業をいくつかお願いしている所です。原さんは2015年より、私も大尊敬し、大変影響を受けたプレーヤーで製作家のOttar Kåsaの工房で修行をされた信頼のできる職人さんです。こちらの楽器もまた現役になって帰ってくるのが楽しみです。

少しずつ進めているCD制作の方も、もうすぐ終盤となりそうです。世界中のバタバタが終わる頃にはこちらも完成していることでしょう!

皆様もくれぐれもお体に気をつけて、今できる楽しいことを見つけて、辛い時期を乗り越えて下さいね。

3月7日はSpring Concert!

残念ながら3月7日のコンサートは日程延期となりました。後日、新日程をお知らせします。

遅くなりましたが、2月11日のコンサートに来てくださった方々、ありがとうございました。私はハーディングフェーレの伝統曲を弾くのが好きですが、今回は新しい曲を作ってみることも楽しみました。思ったほどの曲数を準備することができず、そこは残念でしたが新しく生まれたメロディーも今後、大切にしていきたいと思います。

さて、3月7日はニッケルハルパの本田倫子さんとのデュオライブです。共鳴音のとても多いニッケルハルパと、これまた共鳴弦のついたハーディングフェーレ。ノルウェーとスウェーデンの伝統曲をたっぷりお楽しみください。

会場の風のポルッカさんは、プライヴェートな雰囲気が魅力の素敵なスペースです。リラックスした空間で、音楽をお楽しみください。ご予約はこのホームページの問い合わせ欄からメッセージで受け付けています。
以下は会場への行き方です。(倫子さんが作ってくれました)

2月11日ライブのお知らせ

2月はじめに久しぶりにソロライブをすることになりました。
いつもの天神橋筋のStudio TIme Blueで、1時間程度の音楽と、終演後にはお茶とお菓子(今のところ予定ではノルウェーワッフル)を準備する予定です。

今回はVinterblå (Winter Blue)と題し、ブルーにまつわる曲をお届けします。ハーディングフェーレの調弦法の中には色で表現したものがあり、その中にはライトブルーというものもあります。また、青という色は、氷河だったり雪山だったりフィヨルドだったり….とてもノルウェーの自然を連想させる色です。

そんな、ブルーを表現した曲を、伝統曲、オリジナル曲交えてお届けします。

ご予約は、contact@satokok.comもしくはStudio Time Blueまで

3月7日(土)には、ニッケルハルパのmichikoさんとデュオコンサートを予定しています。

阪急神戸線塚口駅からバスで10分ほどのところにあるとてもプライベートな素敵なアトリエポルッカさんでのライブです。こちらは休憩ありの2部構成で、終演後にお茶をご用意しています。

michikoさんとは9月にライブをさせてもらいました。以前のfissの時とは違い、それぞれの楽器のソロを中心にしたコンサートでしたが、お互いの楽器の個性がより現れて面白かったので、今回も同じシリーズでの予定です。こちらもご予約お待ちしています。

ランゲレイク Langeleik

2019年7月のノルウェー旅行中の記事です。

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ノルウェーの民俗楽器の中に、ランゲレイクという楽器があります。中世期から弾かれていたとされる長い歴史をもつ楽器ですが、ハーディングフェーレほど歴史の詳細が明らかになってはいません。150年ほど前には、ノルウェーの村々、特にヴァルドレス地方では一般的に弾かれていた楽器で、現在でも多くの奏者がこの地方の出身です。音の芯がはっきりして力強いフェーレやハーディングフェーレに対し、繊細な音色がまさに癒しの音楽。この夏、ランゲレイクの歴史的な楽器を用い、ダンス演劇とコラボレーションした舞台作品がヴァルドレスで上演されました。それに関連して、ヴァルドレス地方の歴史上のランゲレイク奏者ゆかりの地を巡るセミナーが開かれたので参加してきました。

私はそもそもランゲレイクという楽器について、あまり詳しい知識は持っていないので、大雑把な説明にはなりますのでご了解ください。楽器はメロディー弦1本に対して7本前後のドローン弦が張られています。メロディー弦の部分にのみブリッジが敷かれ、スケールを弾くことができます。このブリッジは、日本の筝の琴柱のように可動式のものではなく、楽器に据え付けられていて動かすことができません。ランゲレイクは1860年前後に楽器の「近代化」がなされたと言われていますが、弦の数や張り方に加えて、このメロディー弦のスケール(および音律)が変わったことがわかっています。このことは、ノルウェーの民俗音楽における音律論でも取り上げられています。

19世紀の初期の民謡収集家として知られるリンデマンは度々ヴァルドレス地方を訪れ、ランゲレイクのメロディを採譜しました。のちに、エドヴァルド・グリーグはその採譜をもとにピアノ小品を作曲していますが、当時はそのような音律の記譜も不可能であり、当然ピアノでその音律を再現することも不可能であったため、当時のランゲレイクの演奏からは違うものになっているということも度々指摘されます。

このセミナーでは、実際に「モダン音律」に作られているランゲレイクと、「古い音律」に作られているランゲレイクを弾き比べてもらいました。ハーディングフェーレと同じく、古い楽器はあまり多くは残っていませんので、現在残されているたった数台の楽器から古の音色を感じました。ハーディングフェーレで古い音律の話を語る場合は、楽器の性質上、ある程度信憑性が欠けてしまいます。ハーディングフェーレは自分で調弦ができるからです。昔のプレーヤーがどういう音律で弾いていたのかは録音が残っていない限り、わからないことです。しかし、ランゲレイクは楽器作りの段階から音律が設定されていたわけですから、より確かな歴史的な証拠ということができます。現代に伝わっているハーディングフェーレでも弾かれる曲がこの古いランゲレイクで演奏されるのを聴いて、私の中での音律に付いての考えが少し変わっていきました。

リンデマン Ludvig M. Lindeman

ランゲレイクの古い時代のプレーヤーについてはあまり詳しいことがわかっていません。以前より断片的に聞いた歴史的なプレーヤーの話からは、女性が多かったことが印象に残っていました。当日の説明でも、女性が多く紹介されましたが、恐らくこのことが、ランゲレイクの歴史的なプレーヤーの史実にあまりアクセスできない理由ともなっているようです。ワークショップでの説明によると、ランゲレイクという楽器はハーディングフェーレやフェーレよりも身分の低い人達が弾いていたために、プレーヤーの生い立ちなどはっきりした情報を集めるのが難しいそうです。今でこそ女性の地位が高いことで知られる北欧諸国ですが、何百年も昔は村での女性の社会的地位は男性よりも低かったことでしょう。実際、ハーディングフェーレやフェーレは古くは男性が主に弾いていたということを考えると、それぞれの楽器の奏者の社会的地位の違いは実際のところあったのかもしれません。

クヌートとオーレ・オースタ・ブローテンは
現代のランゲレイク奏者の中でも最高のプレーヤー
アイヴィン・グローヴェンのハーディングフェーレソロの為の名作
「Sumarmorgon 夏の夜」をランゲレイクで。

近代になると、ランゲレイクにも有名な男性のプレーヤーが登場し、華々しい演奏で聴衆を魅了しました。20世紀初頭には、古いタイプのランゲレイクとは大きく異なり、音を大きくするために複弦を使った楽器を演奏するプレーヤーが出ましたが、一般的には調弦と演奏の難しさから普及はしなかったそうです。

この夏、ポ・ピンテ På Pynteというタイトルのランゲレイクをモチーフとした舞台作品がノルウェーで製作されました。ベーリット・ピンテBerit på Pynten (ピンテのベーリット 1812-99)は19世紀に活躍した女性ランゲレイク奏者です。舞台ではランゲレイク、民俗音楽、ダンスについての思いを語り踊る2人の男女の周辺で4台のランゲレイクが独奏と合奏で伝統曲を綴ります。時々映像に現れるのは 「Dansedokke 踊る人形」と呼ばれるもので、実はそれぞれのプレーヤーの目の前に置いてあるものをカメラで拡大したもの。150年ほど前に活躍したベーリット・ピンテですが、音楽を聞かせる際に、実際のダンスを見せる代わりにこういった人形を糸で繋がれたペダルを操作することで演奏中に操って見せていたことが知られています。舞台の中心で語り、踊る男女はこの人形たちを表しているのかもしれません。

ベーリット・ピンテ
オドルン・ヘッゲによるランゲレイクとdansedokke踊る人形

フローデ・フェルハイム Frode Fjellheim再来日と公演

11月22日に「アナと雪の女王2」が公開となりました。私はまだ見に行けていませんが、アナ雪大好きの姪っ子と行けたら良いなあと思っています。

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ディズニー版の映画のオープニング曲を作曲したフローデ・フェルハイムが、その曲を演奏した合唱団とノルウェーの角笛を吹くヒルデグン・オイセットHildegunn Øisethと共に来日し、今週各地で公演します。

https://www.harmony-fields.com/a-cantus/index.html

昨年は静寂の音シリーズで私も一部参加させて頂きお世話になったフローデ・フェルハイムとマリヤ・モッテンソンですが今回はまた違ったセッティングでの公演となります。

10月ごろハーモニーフィールズさんより連絡があり、今度来日の合唱団のメンバーの名前のフリガナを作って欲しいと依頼されてから長らく楽しみにしていた来日公演。私も30日の兵庫公演を客席から聞くのを楽しみにしています。皆さまも是非お運びください!

フローデとヒルデグンはその後、東京、奈良、大阪でも公演します。是非日程をご確認ください!

12月15日クリスマスコンサートのお知らせ

ノルウェーのクリスマスは、家族で過ごすゆったりした静かな時間です。日本では師走の忙しさに紛れて過ぎ去ってしまうことが多いかもしれません。もちろん、久しぶりに会う親戚たちに配るクリスマスプレゼントに頭を悩ませて、ストレスが溜まるという話もありますが。。。

2019.12.15

12月15日に、ピアノがたくさん並ぶ素敵なお店、ムジカセゾンにてクリスマスコンサートを開催させていただくことになりました。

あまり日本では聞く機会のない、ノルウェーのクリスマスの曲やハーディングフェーレの曲を集めたコンサートです。この機会に是非お聴きください。ご予約はムジカセゾン0742-48-0660、または、このHPのお問い合わせ欄からも受け付けています。contact@satokok.com

ムジカセゾンへは、近鉄学園前駅北口1番のりばで
「11高の原駅」 または
「1 東登美ヶ丘一丁目」行き
に乗車、
「東登美ヶ丘一丁目西口」で下車、徒歩4分。
詳しくはHPをご覧ください。http://musicasaison.com/map/index.html

レコーディング

今年の初めから、ソロアルバムのレコーディングをしています。先週の日曜日にもまたスタジオを訪ね、5曲ほど録音をしてきました。一曲一曲は短い曲ですが、一つの曲を仕上げるにはいくつものプロセスを介し、解釈を重ねていきます。民俗音楽というと、お手軽にイメージしている人も多いかもしれませんが、(あるいは他のジャンルよりは本当にそうなのかもわかりませんが) 案外根気のいる作業です。今回録音をしているものは、比較的有名でよく聞かれるテレマルク地方のレパートリーです。私はノルウェーでの学生時代、テレマルク地方の曲を中心に勉強しました。テレマルクではハーディングフェーレの伝統が非常に強く、伝統のスタイルも最も豊富に残っている地域と言っても過言ではありません。私が学校に行く前、一番初めにハーディングフェーレを教わったのはBernt Balchenという奏者ですが、ヴァルドレス地方とテレマルク地方のレパートリーを得意としていました。数年後に、テレマルク大学で勉強した際には、その地域でよく弾かれるレパートリーを学びたいと思い、テレマルクの曲を中心に教えて欲しいと頼みました。後にOle Bull Akademietに通うために西ノルウェーへ引っ越してからはテレマルクの曲を中心に据えながらも、西ノルウェーのレパートリーも学びました。今回は私のレパートリーの中で一番の基礎になってくれているテレマルクの曲ばかり、中でもOle Bull Akademiet時代の私の師匠であるAnne Hyttaから学んだ曲や、修士号のテーマとして取り組んだDahleのレパートリーが中心となっています。この冬には完成させるつもりです。

Studio

レコーディングをした翌日、2003年より共に活動をしてきた、日本・ノルウェー音楽家協会の中心メンバーだった方の一人、池内保子さんが他界されてから1年が経ったことを記念し、東京のメンバーが「旅立ちコンサート」を主催したので私も客席から見送らせて頂きました。いつも穏やかな笑顔で美しいフルートの音色を奏でた保子さんのご冥福を心からお祈りしています。

garba hall

日本・ノルウェー音楽家協会は私がまだノルウェーの音楽のことを殆ど知らなかった頃よりお世話になっている協会で、そこで活躍される先輩方から多くを学びました。日本では殆ど知られていないノルウェークラシックの有名曲を演奏されるのを聴き、そののびのびと自由な世界観に共感して私はノルウェー留学をしました。協会のコンサートで演奏されている曲は、今もノルウェーでは変わらずよく演奏されている曲ばかり。日本にいるのを忘れるほど引き込まれる時間を過ごしました。中でも日本・ノルウェー音楽家協会オリジナル演奏会版ペール・ギュントは圧巻で、是非再演を期待しています。次回は是非参加させていただきたいです。会場になった西新宿のガルバホールは、夢の溢れる内装で、ペール・ギュントにぴったりでした。

東京駅

ハーディングフェーレの伝統曲にまつわる物語

昨日のコンサート北欧音楽コンサートと軽食ビュッフェへお越しいただいた方々、どうもありがとうございました。ニッケルハルパの本田さんとのコンサートは本当に久しぶりで、以前fissで活動していた時とは全く違ったレパートリーでコンサートを組み立て ました。その結果、以前より、よりそれぞれの楽器の特徴的な曲を集めたコンサートになりました。

ハーディングフェーレの曲には物語が共に伝わっているものが多いです。いつもコンサートではそういったお話もしますが、時代も地域も違うと、お話の本意が伝わったかどうかわからない時もよくあります。昨日は、イェルキ・ハウケラン Gjerki Haukelandという悲しい恋の物語でしたが、どういうわけか本意は伝わらなかったようでした。

Gjerki HaukelandはベルゲンのHaukelandという土地のお金持ちの娘さんでした。それに対して、オイスタイン・ルーロス Øystein Luråsは貧しい芸術家。結婚することができず、泣く泣くイェルキは別の男性と結婚することになったのでした。その2人の最後のダンスの曲がイェルキ・ハウケランだったわけです。身分の違いで結婚できない悲しい恋物語は古くから伝わる物語の中でも定番中の定番です。

ハーディングフェーレの曲は難解だという意見もよくいただきます。私はこの楽器を初めて20年、以前は難しいと思っていたこともありましたが、今ではそんなことはすっかり忘れてしまいました。アシンメトリーの3拍子、シンコペーションの多いフレーズ、曲の小さななモチーフを繰り返すミニマルな構造が独特で、今ではそれが面白いと思っています。このリズムや構造無くしてハーディングフェーレの音楽はありえません。私は伝統音楽という領域を研究活動分野にしてきましたので、こういった難解と言われる音楽的特徴をよりわかりやすく他の方々に伝えたいという思いはありますが、わかってもらえないから変えて伝えたいとは思いません。それは今までのノルウェーでの生活で、商業ベースに乗って活動をしていると思われるプレーヤーであってもしっかり守っているというのを目の当たりにしています。伝統は、良く過去と現在を繋ぐものと定義されますが、現在の感性で共感できないものは未来まで残ることもないでしょう。古くから伝わる音楽の要素の中にも現在、未来に通じる魅力があることを信じて、弾き続けています。

one cold day